会社の就業規則はきちんと整備されていますか?
労働組合のない会社では、就業規則ですべての職場のルールを決めていますので、就業規則を甘く見ると思わぬことでトラブル(職場トラブル)が発生します。
就業規則は常時使用する労働者が10人以上いる事業所では、作成して労働基準監督署へ届けなければいけません。これは、10人未満の事業所は就業規則を作成しなくてよいというものではありません。職場のトラブルを防ぐためにも従業員の規模にかかわらず就業規則は作成しておくこがよいにこしたことはありません。
就業規則の未作成、未整備は会社側の権利放棄とみなされます。そのため、万が一裁判になった場合には、労働者に有利になるでしょう。
就業規則は周知されていますか?
就業規則はあるけれど、従業員に見せたことがないという会社が見受けられます。おそらく会社に都合の悪いことはそのまま隠しておいて、会社の都合の良いときに水戸黄門の印籠のように突然目の前に出し「これが目に入らないか!」とやるつもりなのでしょう。
しかし、これではせっかく作った就業規則自体が無効となる可能性が大です。
労働基準法では、就業規則は労働者に周知をしなければならないとなっているからです(第106条)また、裁判所の判断でも「就業規則が拘束力を生ずるためには内容を周知させる手続きがとられていることを必要」としているものもあります。
ですから、解雇など処分をくだすときになってはじめて就業規則を示しても無効となる可能性があります。従業員に「そんな就業規則一度も見たことない」と主張された場合には、それだけで就業規則の有効性が失われる可能性があります。
解雇理由は具体的に記載されていますか?
平成16年1月から労働基準法の改正により、就業規則に解雇の事由の記載が義務化されました(第89条)
解雇をする場合には、その解雇が客観的で合理的な理由が必要なのですが、そのためにはまず就業規則に具体的な理由が記載されている必要があります。よって解雇処分の際、解雇規定がないのは当然ですが、解雇規定に該当しない解雇は無効となるといえます。
就業規則に解雇規定が2,3項目しかない就業規則はいざというときに正当に解雇できなくなる可能性があります。
パート・アルバイトの就業規則はありますか?
パートやアルバイトさんは通常正社員の就業規則には適用されていないとお考えの事業主の方は多いと思います。しかし、これは就業規則でパートアルバイトなどは適用を除外すると規定されていてはじめてそのように扱えます。就業規則をみて「うちの会社はきちんと適用除外となるよう書いてあるから安心」と思った社長さん、ではきちんとパートアルバイト用の就業規則はありますか?
もし、パートアルバイト用の就業規則がない場合には、正社員の就業規則が適用されてしまう可能性があります。特にパートアルバイトさんには退職金はなしとされている場合が多いようですが、もし正社員と同じ就業規則が適用された場合には、パートアルバイトにも退職金の支払義務が発生する可能性も出てきます。
当事務所では、これらのことを踏まえ就業規則の作成、変更をいたします。
特にいまだに就業規則を作成していない事業所様、モデル就業規則をそのままお使いの事業所様、もう何年も就業規則を見直していない事業所様については、早急な作成、見直しが必要です。ぜひ一度ご相談ください。