労働条件・安全衛生管理体制自主点検表とは、事業所の労働条件や安全管理などについて自主的に点検を行うように、各事業所へ労働基準監督署から送られてくるものです。
そして、労働条件・安全管理体制自主点検表は、チェックシートのような形式となっていて、事業所の現在の労働条件や安全管理の状況を各項目ごとにチェックし、労働基準監督署へ郵送もしくは、FAXで提出するかたちになっています。
労働条件安全衛生管理体制自主点検表の内容
労働条件・安全衛生管理体制自主点検表には、かなりのチェック項目がありますが、簡単にその内容をあげておきます。
点検項目 |
備考 |
1.就業規則について |
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2.労働条件の明示について |
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3.所定労働時間について |
1週間の所定労働時間について |
4.1箇月単位の変形労働時間制について |
採用している場合の、適用状況 |
5.1年単位の変形労働時間制について |
採用している場合の適用状況、届出 |
6.所定休日について |
週休二日制などの実施状況 |
7.時間外、休日労働について |
36協定の届出等 |
8.割増賃金について |
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9.年次有給休暇について |
有給の実施状況 |
10.健康診断について |
実施状況等 |
11.安全管理者等の選任について |
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労働条件安全衛生管理体制自主点検表の目的
労働条件・安全衛生管理体制自主点検表に同封されている送付文をみますと、「この機会に貴事業所の労働条件、労働衛生管理体制について点検、見直しを行っていただく」という旨や、自主点検表の文頭には「自主点検制度は、使用者が事業場における労働基準関係法令等の遵守状況を自ら点検し、その把握した問題点に応じ、自主的な改善を図るためのものです。」と記載されております。
ですから、この労働条件・安全衛生管理体制自主点検表は、あくまで事業所の自主的な労務管理関係の改善を促すものと思われます。
しかし、労働基準監督署に提出された労働条件・安全管理体制自主点検表が、労働条件や安全管理などの労務管理上に改善の余地がある場合には、労働基準監督署はどのような対応を取るでしょうか。
場合によっては、労働基準監督署という立場上、その事業所へ改善のお手伝い、つまり是正勧告や立ち入り調査を受ける可能性がかなり高いと思われます。
労働条件安全衛生管理体制自主点検表を提出しないと
労働条件・安全管理体制自主点検表は、送付状に記載された期限までに労働基準監督署へ提出することになっていますが、一般的には「提出くださいますようお願いします」とお願い形式で記載されていることが多く「絶対に提出ください」とか「提出できない場合には…」などとは記されておりません。
しかし、だからといって自主点検表を提出しないということは、かなり危険であると思われます。
なぜなら、「自主点検表を提出しない事業所=何か問題のある事業所では?」と労働基準監督署に判断される可能性がとても高いからです。
そして、場合によってはある日突然、労働基準監督署が事業所へ立ち入り調査へ来る可能性もありうるのです。ですから当所では、労働条件・安全管理体制自主点検表は必ず提出することをおすすめいたします。
労働条件安全衛生管理体制自主点検表が会社に来たら
労働条件・安全衛生管理体制自主点検表が来たら、まず記載内容をよく読んで回答してみてください。そして、もし「○については、改善が必要です」という項目にひとつでもチェックがあった場合には、何かしら労務管理上問題がある可能性が高いと思われます。
もし、「改善が必要です」という項目に該当する箇所があっても、あわてることはありませんし、心配する必要もありません。まだ、現段階では、労働基準監督署の立ち入り調査を受けたわけでもありませんし、是正勧告を受けたわけでもありませんので。
ですから、この労働条件・安全管理体制自主点検表をきっかけにして、改善が必要な問題を把握し、そして、事業所の労務管理上の改善を行っていけば十分間に合います。
一番問題なのは、虚偽の報告など形式面だけを整えて自主点検表を提出してしまうことです。このような形で自主点検表を提出した後、労働基準監督署にこのことが発覚した場合には、悪質な事業所と判断され、厳しい行政指導や処罰を受ける可能性があります。
そして、どのように改善をしていけばよいのか分からない、また、労働条件・安全衛生管理体制自主点検表が来たが、どのように記載していいのか分からないなど、自主点検表を前にお困りの事業所様は、お気軽に当所へお問い合わせください。
当所では、貴事業所に合った、よりよい改善の方法やアドバイスをさせていただきます。