現在このホームページをご覧いただいている方の中には、社会保険労務士への相談や委託をご検討されている方もいらっしゃると思います。
社会保険労務士事務所に依頼する際に、費用面を検討材料にする方は多いと思われますが、実はそれだけで社会保険労務士を選ぶと後で「失敗した!」と思われることが少なからずあるのです。
そこで、一般の方にはなかなか分かりづらい社会保険労務士事務所を選ぶ際のポイントをズバリお教えいたします。
大規模、小規模それぞれの社会保険労務士事務所での経験がある私が客観的な立場から、そして、損得勘定なしで書きました。
そして、少しでも御社に一番合った社会保険労務士事務所を選択していただき、社会保険労務士を有効活用していただければと思います。
その結果、当事務所が御社の求めている社会保険労務士事務所と合致した場合には、ぜひご検討のほどよろしくお願いいたします。
社会保険労務士事務所に何を求めるか
まずは御社が社会保険労務士にどのような業務を委託したいのかをきちんと決めなければなりません。
現在御社で何か問題を抱えている場合には、それほど問題にならないと思いますが、例えば、労働保険や社会保険の手続をお願いしたいとか、人事労務関係の相談にいつでも応じて欲しいとか、就業規則の変更をお願いしたいなど色々あると思います。
そして、当然それに対応できる社会保険労務士に依頼しなければなりません。
社会保険労務士はみんな同じではありません
「社会保険労務士事務所=どこも一緒」と思われてる方はかなり多いのが原状です。
社会保険労務士は国家資格者ですから、一般の方が社会保険労務士と名乗っている者は皆同じと思われるのは当然のことでしょう。
社会保険労務士が扱う業務は実に多岐にわたります。ですから、それぞれの社会保険労務士事務所には得意(専門)分野があり、業務内容もそれぞれです。特に看板やホームページなどに「○○が得意です」などとうたっていなくても、普通はその社会保険労務士の得意分野があります。
これは、社会保険労務士の取り扱うことが出来る業務範囲は多岐にわたるため、業務を行っていくと個々の社会保険労務士に業務の方向性が出てきて、特定分野の業務の依頼が多くなってきます。そして、その結果その分野についてより専門的な知識や経験を得ることができ、そしてそれを武器とし、また業務を行ううちに、またその分野の業務の依頼が来ることが多くなるためだと思います。
例えば、労働保険や社会保険など手続業務のみを扱う社労士、助成金の手続関係を主として扱う社労士、年金関係を主として扱う社労士、社会保険労務士の資格を持っているが、経営コンサルタント的な業務を行っている者など実に様々です。例えばもし、年金関係を得意としている事務所に労使トラブルについての相談をしてしまった場合には、御社の満足のいく対応がなされないことも十分ありうるのです。
ですから、取り扱う業務の性質上、社会保険労務士は税理士さんなどと比べると明らかに事務所ごとにカラーが違うのが普通です。そのため、その事務所の主とする得意分野をきちんと確認することが大切です。もし、社会保険労務士事務所の得意分野が不明な場合には遠慮することなく聞いてみましょう。
社会保険労務士事務所の規模について
社会保険労務士事務所には、小規模で行っている事務所や職員を多数抱えて行っている大規模な事務所など規模も様々です。最近は、社会保険労務士事務所の法人化も認められています。
小規模な事務所は、小規模ならではの小回りが利いてきめ細かいサービスが特色としてあります。また、小規模な事務所は、通常所長である社会保険労務士が直接対応してくれますので、クライアントとしては「ウチをきちんと把握していてくれる」という安心感があると思います。
しかし、小規模で行っている事務所は、規模的な問題から事務所から遠方にあるクライアントまで幅広く対応することまではなかなか難しいといえます。
一方、大規模な事務所は、大規模ならではに幅広く業務を行っているのが特色としてあります。ですから、事務所の営業範囲も広範的に行っていることが多いです。
大規模な事務所はスタッフを多く抱えていて、クライアントを担当するのは、事務所の所長ではなくスタッフの方です。スタッフの方も社会保険労務士の資格を持っている方や資格を持っていない方など事務所によって様々です。また、スタッフの方は当然、その社労士事務所に雇われている訳ですから、退職したりすることもあり、その結果、担当がよく代わることもありえます。
家電製品を買う場合に、いわゆる「家電量販店」で購入する方もいれば、修理などの時にすぐ来てくれる等のことも考えて、いわゆる「町の電気屋さん」で購入する方もいます。
つまり、小規模、大規模事務所双方にそれぞれ特色がありますので、御社が社会保険労務士事務所に対してどのような対応を希望するかによって、ご検討されることがよろしいと思います。
社会保険労務士と相性を必ず確認しましょう
社会保険労務士を選ぶときのポイントとしまして、これが一番重要なポイントだと思います。
社会保険労務士も当たり前ですが、人間です。これはどうしようもないことではあるのですが、人間には相性というものが多かれ少なかれ必ずあるものです。
たとえ業務上は優秀な社会保険労務士だとしても、相性が合わない場合には、社会保険労務士と話をしていても、「何だか話しづらいなぁ…」とか「こちらから質問をしづらいなぁ…」また、「本当にこちらの話を聞いてくれているのかなぁ…」などと思うことも場合によってはあります。
社会保険労務士が扱う業務には、時としてクライアントにとって不都合なことや、不利益になってしまうようなことについてもご相談をお受けしてお話を伺ったりすることがあります。そのようなときに、相性が合わない社会保険労務士に相談をするということは、お互いの信頼関係を築くことはとても難しく、結果としてその社会保険労務士がクライアントの満足いく業務が遂行できることは少ないと思います。
また、御社の顧問として依頼する場合には、当然その社会保険労務士とは長い付き合いになりますので、相性というのはより大切だと思います。
場合によってはせっかく顧問として依頼しているのにもかかわらず、相談すらできないなんてこともありえます。
では、この社会保険労務士との相性をどのように判断すればよいのでしょうか。
それはズバリ依頼をする前に一度その社会保険労務士に会ってみればよいのです。
必ず合って確認することが大切です。電話だけではいけません。
クライアントが社会保険労務士に委託することを前提としている場合には、通常、業務委託前に社会保険労務士は説明などをするために御社へ訪問をしてくれるはずです。そのようにして、事前に社会保険労務士と会って説明を聞いたり話をすれば、その社会保険労務との第一印象や相性というのは少なからず分かると思いますので、そこである程度判断することは十分可能だと思います。
実は、社会保険労務士も委託を受ける前にその会社がどのような雰囲気の会社であるとか、謄本や業務案内のパンフレット等だけでは感じることができない部分を見ておきたいために、一度は訪問させていただきたいと思うものなのです。
以上簡単ではありますが、これらのことを踏まえ社会保険労務士事務所を選んでみてはいかがでしょうか?